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2010.10.12

ヨンチョルバーガーseason2

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 4年ぶりに、安岩洞にあるヨンチョルバーガー本店の話。

 ヨンチョルバーガーは、高麗大学の近所で生まれた、屋台出身のバーガーチェーンだ。挽肉とキャベツがたっぷり入ったホットドックタイプのサンドイッチで、当時はひとつたったの1000W。しかも、コーラが飲み放題だった。

ヨンチョル・ストリートバーガー(2004/05/09)
ヨンチョルバーガーの本が出た。(2005/12/10)
突如閉店?(2005/12/12)
ヨンチョルバーガー本店の今(2006/12/21)

 留学生時代、さんざんお世話になったヨンチョルバーガーだが、2004年頃から急成長し、今ではチェーン展開まで行っている。

 さて、久しぶりに本店に立ち寄ってきた。

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 場所は2006年12月と同じだが、ますます本格的な店舗になっていた。社長のイ・ヨンチョル氏は、ホームレス同然の状態でハンバーガーの屋台を開業し、10年でここまで来た。メニューは多彩になったが、時間があるときには今でも社長自ら店頭に立ち、基本であるストリートバーガーも、1500Wに値上げした以外は何も変わらない…… はずだった。

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「ストリートバーガーは、なくなったんです」

 店員が、信じられないことを言った。メニューには、2500Wから4000Wほどの、ヨンチョルバーガーにしては高価格のサンドイッチが並んでいる。仕方がないので、一番安いシリアルチーズバーガー2500Wを注文した。

「ドリンクも、別途注文しなくてはならないんですが……」

 なんということだ。サンドイッチが、高い商品ばかりになっただけでなく、無料だったコーラまで有料になってしまった。

 ヨンチョルバーガーよ、お前もか。

 ある程度の成功を収めた企業が初心を忘れて利益主義に走り、自滅していく。韓国でも、日本でもよく見られるストーリーだ。ヨンチョルおじさんも、屋台時代の志を忘れ、高価格指向に走ったのだろうか。高大生に愛され、恩返しをしたいと2000万Wもの大金を奨学金として寄付したヨンチョルおじさんが……。

 それでも、2500Wのシリアルチーズバーガーは、チーズをたっぷり載せたストリートバーガーといった趣で、味は損なわれていなかった。コーラは800Wと一般的なファストフードよりも安い。

 ホテルに戻り、ヨンチョルバーガーのサイトを開いてみた。すると、そこにはイ・ヨンチョル社長による長く詳細な説明文が掲載されていた。

 「この度、ヨンチョルバーガーの今後の運営方針を多くの方々と共有して、事前にご了解をいただくために、この文章を掲載することにしました。

 この数カ月間、私たちは大いに悩み、多くのお客さまや学生たちに助言を求めてきました。その結果、10年間、弊社を代表する商品だった「ヨンチョルストリートバーガー」の販売を終了し、思い出として大切にしまっておこうと決めました」

 こんなふうに始まる、イ・ヨンチョル社長の文章。そこには、材料費と物流コストの上昇のために、1500Wのストリートバーガーが以前から原価割れを起こしており、高額商品の利益によってその赤字を補填していたことが打ち明けられていた。

 「多くの方に支えられ、数年前から弊社ではフランチャイズ展開を行っていますが、本社にはフランチャイジーの方々が安定して利益を得られるような収益構造を確保する責任があります。ストリートバーガーを赤字のまま、加盟店の方々に売っていただく訳には参りません」

 なんとかストリートバーガーを維持したいヨンチョル社長は、大手食品会社と提携し、セントラルキッチン方式を導入する。全店の仕込みを一括して食品工場で行うことで、コストの大幅な削減を目指したのだ。しかし、この方策は裏目に出る。元々ストリートバーガーがあまりにも低価格であったため、コストを削減するどころか、むしろコストアップしてしまったのだという。

 フランチャイズ店舗の品質を落とすことだけは絶対に避けたいヨンチョル社長は、ついに決断する。

「既存のストリートバーガーの販売を終了し、ヨンチョルストリートバーガーseason2をリリースします。若干価格は高くなりますが、他のバーガーよりも安い価格帯の商品を提供するよう準備しています。ドリンクも有料となりますが、プラスチックの容器を使い、もちろんおかわりは自由です」

「ストリートバーガーは、9月11日まで販売します。当日は、午後6時から閉店まで、ストリートバーガーを無料でご提供しますので、どうぞご利用ください」

 9月11日は、定期高延戦の最終日。きっと、本店は多くの学生たちで賑わったことだろう。なんだ、もっと早く知っていれば、駆けつけたのに。久しぶりに、ヨンチョルおじさんに会いたかったなあ。

 ヨンチョルバーガーは、志を忘れてはいなかったようだ。また、ソウルに来るたびに、遊びに来よう。これからは、もう少し高いバーガーも試してみようかな。

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