18時間ぶりの再会
リムジンバスを梨大で降りて、携帯を出そうと上着のポケットに手を入れた。
…?
バスが、ゆっくりと動き出す。
反対のポケットにも、バックポケットにもない。
やばい、バスの中だ。
友だちにメッセージを送り、ポケットにしまったとき、どこかに引っかかってきちんとポケットに入っていないような気がしたのだ。
さあ、どうする。タクシーで追いかけるか? だが、あちこちのポケットを探っていたせいで、ずいぶん時間が経ってしまった。
そうだ、仁川空港で、バス停を写真に撮っていた。そこに、問合せ先が載っていたはずだ。
ところが、公衆電話が見当たらない。重い荷物を背負ってうろうろすること5分。やっとホテルミラボーの前に、電話ボックスを見つけた。
「あー、忘れ物ですか。それはこれから言う番号にかけてください。032の…」
いきなり別の番号を言い出すので、メモが取れない。胸ポケットにあったPHSを取り出し、いわれたとおりに数字キーを押した。入力した番号が消えては大変なので、発信履歴に入れておこう。発信ボタンを押す。
「発信できません」
ここは韓国。もちろん、発信履歴など残るわけがない。番号は、消えた。記憶を頼りに電話をかけたが、すべて間違い電話。
とにかく、行きつけのパークホテルにチェックイン。部屋に入ると、蛍光灯が切れていて明かりがつかない。スイッチに手をやると、ボタンも割れている。だが、文句をつける余裕はない。真っ暗な中、部屋に備え付けのPCを起動した。
「スパイウェアが32個発見されました」
この際、どうでもいい。
リムジンバスのサイトにアクセスし、連絡先をクリックすると、ついに「遺失物問い合わせ番号」に行き着いた。
今度こそメモを取り、部屋の電話を手に取ると、「市内通話のみ使えます」。さっきの公衆電話に駆け寄れば、手元の小銭は30ウォン。
やむをえず、チョンジャたちのいる食堂「スラ」に急いだ。
「あれ、明日来るって言ってなかった?」
「詳しい話はともかく、ちょっと電話かして」
ついに、リムジンバスの遺失物問い合わせに電話がつながった。
「あー、担当者がねー、食事中なんでー、あとでかけてくれますかー」
orz
コンビジを食べて気分を落ち着かせ、40分後にもう一度かけてみた。
「えー、そのバスは、もうさっきここに着いて、また空港に発車しましたよ。そんな報告はなかったですけどねえ」
orzorz
これは、もうダメかもわからんな。
解約するかも、とか言ったから、自ら引き際を悟ったつもりなのだろうか。早まった真似をするやつだ…。
最後の望みをかけて、頼んでみた。
「運転手さんに、私の携帯に電話をかけてもらってくださいませんか。運転手さんのすぐ後ろの席ですから、すぐわかるかと」
5分後、リムジン事務所から電話がかかってきた。
「お客さん、ありましたよ!」
こうして、今日15日の正午すぎ。清涼里駅前で、僕と韓国携帯LG-SD100は、18時間ぶりの再会を果たした。
「見つけたよ」
「もう、解約するなんていわないでくれる?」
↑イタタタタ ま、とにかくめでたしめでたし。
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Comments
再開後の第一声が「見つけたよ」ってのはイマイチの気が…。
Posted by: 杉山 | 2006.12.16 08:49