日本テレビ「最後のナイチンゲール」
日本テレビの終戦記念特別ドラマ「最後のナイチンゲール」。
後半だけ見ていた。沖縄戦における、女子看護隊の悲劇を描いたドラマだ。
沖縄の南海岸に追い詰められ、瀕死の重傷を負った椎名桔平。
死を前に、長谷川京子と気持ちを確かめ合う。ひじょーに重要なシーンだ。
……が、その表現が「洞窟内で、二人とも裸になってエッチ」。
ひめゆり隊が全滅した、まさにその時、その場所ですよ?
そりゃ、死に直面した人間同士、種族保存の本能からそういうこともあったのかもしれないけど、あんな、二人とも全裸になって余裕でエッチしてるなんて、あり得ない。
椎名桔平が死んで、長谷川京子は子供を宿し、戦後を力強く生きていく……みたいな展開だったら、まだ許せるかもしれないけど(それでもあの描写はないだろう)。
結局、長谷川京子も、翌日、やたらとのんびりした雰囲気の広場で、いきなり日本兵に撃たれて死んでしまうのだ。
それ以外の女子たちも、周囲に全く米軍の姿が見えないのに、「自決命令が出たから」と、ぽこぽこ身を投げてしまう。サイパン戦での、バンザイクリフの映像をとりあえず再現してみたということか。そもそも、茶髪で眉毛を剃った学徒看護婦なんて、ありえない。
これはもう、終戦記念ドラマどころか、沖縄戦で死んでいった人たちへの冒とくではないだろうか。
かなり、残念な内容だった。
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Comments
日テレは何を考えているんだろう
「軍命令は創作」初証言 渡嘉敷島集団自決 元琉球政府の照屋昇雄さん
第二次大戦末期(昭和20年)の沖縄戦の際、渡嘉敷島で起きた住民の集団自決について、戦後の琉球政府で軍人・軍属や遺族の援護業務に携わった照屋昇雄さん(82)=那覇市=が、産経新聞の取材に応じ「遺族たちに戦傷病者戦没者遺族等援護法を適用するため、軍による命令ということにし、自分たちで書類を作った。当時、軍命令とする住民は1人もいなかった」と証言した。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/16661/
Posted by: ひろ | 2006.08.28 22:32
こんばんわ、はじめまして。
TB致しましたがPINGがダブってしまいました。
かたっぽ削除お願いします。
内容については、まあ、みなさんがおっしゃるとおりです。
Posted by: sunnyHIGA | 2006.08.26 01:05
chanceさん、フランソワさん
全部は見ていないので偉そうなことは言えないのですが(アメージンググレイスが目当てだったw)
脚本の方は、太平洋戦争と沖縄戦についての考えが足りないように思いました。
2ちゃんねるなんかで言われているような、「日本軍を悪く描くからけしからん」というわけではなく。
現在の価値観から見ると、極悪としか思えないような行為を、何故国民を守るはずの軍が犯してしまったのか。なぜそこまで追い詰められたのか。
対する米軍は、何故非戦闘員にまで手榴弾や火炎放射器を使ったのか。
そういった点に、全然思いが至っていないのではないかと。
「生きよう、女だから」と言って、主人公たちは米軍に投降しましたが、「米軍に投降=生き延びる」という認識だったのだろうか?
「友軍と行動=100%死」「米軍に投降=90%死&陵辱」。しかし、それでも生き伸びるには後者の選択しかなかった、ということではなかったかと思うのですが……。
フランソワさん、公式の掲示板、10代の絶賛しているように見える書き込みの中には、かなり「縦読み」が紛れ込んでいたようですね。
Posted by: かんりにん | 2006.08.25 03:02
はじめまして。
全くそのとおりでした。
思わずトラバさせて頂きました。
Posted by: フランソワ | 2006.08.24 12:17
栗原さま
はじめまして。
私も!ホントそう思いました。
戦争経験者の方が怒るよって・・・。
ワザと泣かせようとするシーンも多くて。
もっと事実を語るだけで、自然と心に訴える。
知らない世代に真実をできるだけ伝えるドラマ作りをしてほしいな・・・と思いました。
残念ですね。
Posted by: chance | 2006.08.24 11:37