NintendoDS版「旅の指さし会話」
中国に持って行った、NintendoDS用ソフト「旅の指さし会話 中国語」。
結論から言うと、僕はこのソフトを活用することはできなかった。
情報センター出版局の「旅の指さし会話」シリーズは、豊富な手書きイラストと絵本のようなデザインで、現地語をわざわざ読み上げなくても、誌面を指さすだけで意志を伝えられるという画期的な?会話本だ。
とにかく指さえさせば、食べたいもの、ほしいものが伝わる。言葉による「会話」は成立しないが、それでも十分用は足りる。明快なコンセプトで、たしかに役に立ったし、よく売れた。
しかし、NintendoDS版。
西安の四川飯店に一人で行ったとき、試しに使ってみた。
テーブルにつき、服務員が注文を取りに来たところで、DSを取り出す。電源を入れる。「ポポーン」と、DSのアイキャッチロゴが出る。健康を保つための注意事項が出てきて、タッチしろと促される。タッチする。タイトル画面が出る。メニューを選ぶ。自分が使いたいジャンルの言葉が出てくるまで、カテゴリボタンを押し続ける。文章を選ぶ。空欄に入る、目的語を探す……。
……やってられない。
書籍なら、前もって食べたい料理がのっているページを折っておいたり、しおりを挟んでおくという手があるが、DSではそれができない。ひたすら、タッチしまくって目的の言葉を探すはめになる。これなら、わざわざ2980円も出さなくても、 1000円ほどで買える書籍のほうがよっぽど軽くて使いやすいではないか。
そもそも、DSにおける「スタイラスペンで画面にタッチする」という直感的な操作を、このソフトは使いこなせていない。
「タッチ」は、ひたすらジャンルや単語を選択するために使われる。従来の、「カーソルキーとAボタンで選択」というのと、何ら変わらない。
「タクシー乗り場はどこですか」
これだけの文章を伝えるために、このソフトは、
・「交通」のジャンルを探し出してタッチ
・「~はどこですか」という文章を探し出してタッチ
・ずらりと出てくる単語から、「タクシー乗り場」を探し出してタッチ
・発音させるには、一番押しにくい背面のRボタンを押す
これだけの手順が必要になる。人を前にして、こんなにややこしい操作をするのは、非現実的だ。これなら、ひとこと「タクシー」と言った方が速そうだ。すべての単語と文章が、メニューのどこにあるのか記憶していれば使えるのかもしれないが、それなら中国語をマスターしたほうがラクだろう。
この本は、「単語や言葉を指さすだけで、相手に意志が伝わる」ことが、最大の特徴だったはずだ。
その単純明快さをDSで再現するなら、「単語をタッチすると、写真なりイラストが大きく表示され、ネイティブの音声で発音してくれる」のが正解だろう。
これなら、汎用の翻訳機能を備えたPSP用「トークマン」のほうが、ずっと使いでがあるのではないだろうか。
DSは、やっぱり遊びに使うべきだよな……。残念ながら、「旅の指さし会話DS版」はお蔵入りである。
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Comments
Monaco moderated!beeps:graphing cuttlefish spent?integrate
Posted by: | 2008.08.20 14:06