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2006.04.29

お疲れさま、交通博物館

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まもなく閉館する交通博物館

 28日、金曜日の朝8時50分。万世橋にはすでに行列ができていた。
 来月14日で閉館する、交通博物館の開場を待っている人たちだ。開館時刻は9時半。まだ40分もあると言うのに、100人以上の人が並んでいる。

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これ全て入館待ちの人。時刻業を熱心に読みふける人も…
(僕じゃないよ)

 彼らの目当ては、今回初めて一般に公開された、旧萬世橋駅遺構の見学ツアーだ。当日受け付けが1日170人(平日)に限定されており、しかも今日は公開最終日。鉄道史の貴重な一ページである、萬世橋駅の遺構をなんとか見ようと、朝からこれだけの人が集まっているのである。そして、僕もその一人。

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吹き抜けの天井には、ヘリや飛行機も

 交通博物館。

 この古く小さな博物館には、たくさんの思い出がある。母親に連れられて初めて来たのは、1976年ごろのこと。ブルートレインの本を買ってもらい、それから僕の「鉄道少年」としての日々が始まった。当時展示されていた583系寝台電車の寝台を見て、いつか乗りたいと興奮したことは、今も忘れない。それから、ブルートレインの写真を撮り、電車に乗るために小遣いをため、少しずつ旅に出るようになった。少年時代に鉄道を好きになったことが、めぐりめぐって今の仕事につながっている。ここは僕の原点と言ってもいい。

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(上)かつては、あの中に僕もいた/(下)寝台車は消えたが、修学旅行列車は健在/(右)車の展示もある

 子どものころ、無限の広さに思えた交通博物館も、今訪れてみるといかにも狭い。しかも建物中央の大部分を、3階まで吹き抜けの機関車ホールが占めており、こんなに展示物が少なかったのかと、今さらながら驚く。鉄道博物館の要である、実物の車両を展示するスペースが皆無に等しく、それが、埼玉に移転する最大の理由なのだそうだ。

 さて、交通博物館は、かつて中央線の始発駅だった萬世橋駅の位置にある。今も中央線の快速電車に乗れば、御茶ノ水-神田間で萬世橋駅のホームをはっきり確認することができる。僕は、てっきり駅の跡地に博物館が建てられたのだと思っていたが、実は博物館と駅が両方営業していた時期が7年ほどあったらしい。駅の廃止後は、ホームへ通じる階段にフタをして、通路の一部を展示場に転用したため、当時の遺構がそのまま残った。

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萬世橋駅中央階段

 展示室のすぐ裏にひっそりと眠っていたホームへの階段は、湿気やほこりがひどかったものの確かに駅の姿をとどめていた。イギリス式の構造だという立派なれんがアーチや、軍に接収され、はがされたままの階段ステップが興味深い。

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見づらくてスミマセン。イギリス式という高架橋下のレンガアーチ(左上)、
萬世橋駅ホーム下。この上に中央線下りの線路がある(右上)、
ホームに出る階段。途中で左に曲がる。各段の先端に、滑り止めプレートをはがした跡がある(中段2点)、
階段の先端から、旧萬世橋駅ホームを望む。左は八王子行き快速電車(下段)

 萬世橋駅は、中央線が東京駅に乗り入れるまで、東京西のターミナルだった駅である。御茶ノ水駅や秋葉原駅の開業によって存在意義が消え、戦争中の昭和18年に営業をやめたが、日本の鉄道史に残る、重要な遺産であることは間違いない。

 交通博物館の建物も、明治の建築のような装飾美はないが、昭和初期の建築として価値のあるものだと言う。開館当時の写真を見ると、その姿は現在とほとんど変わらず、70年という時間がつい一瞬のように思えてくる。

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1936年の開館当時とほとんど変わらない機関車ホール。
こちらの写真集の中に、ほぼ同アングルの、開館当時の写真がある。

 博物館の建物と、萬世橋駅の遺構が今後どうなるかは、まだ決まっていない。だが、へんな高層ビルを建てたりせず、ぜひこのまま保存・活用してほしい。たとえば、建物を改修して、鉄道・交通関係の図書館、「萬世橋鉄道図書館」にするというのはどうだろう。数多くの鉄道に関する資料と、本物の鉄道遺産が共存する図書館だ。実際は、鉄道関係の資料はすべて埼玉に行くことが決まっているが、これも悪くないアイディアだと思うのだが。

70年間、本当にお疲れさまでした。

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Comments

最終日はやはり万世橋を渡るところまで列が延びていたようですね。結局、閉館日まで遺構見学が延長になりましたが、完全予約制になっているので、もうこの行列もないでしょう。

旧万世橋駅の遺構見学、閉館というタイミングでの公開でしたが、かつての栄華をしのび、鉄道史を振り返るという点で貴重な体験だったと思います。

Posted by: つばさ | 2006.05.01 at 22:40

昨日、神田へ行った帰りに夜の萬世橋を見てきましたが、今度は「出雲」の車両とライトアップを撮影する人で込んでましたw。

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