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2006.04.30

お宝グッズ

 土曜日。Sさんと、韓国語レッスンの日。中野のカフェで勉強を済ませた後、中野ブロードウェイを案内した。地元の有名スポットだが、「おたく」とはおそらく無縁と思われる僕は、「まんだらけ」などのサブカルショップをじっくり見てまわったことはほとんどない。僕にとっても、有意義な1日になりそうだった。

 アイドルタレントグッズの専門店「TRIO」に入ったときのことである。

 ずらりと並ぶ、週刊テレビガイドのバックナンバー。本田美奈子の表紙を見て切なくなったりするうちに、ひらめいた。
 もしかして、テレビ情報誌はみんなそろってる?

 それまで、極めて冷静に友人を案内していた僕だったが、突然何かに憑かれたかのように書棚を漁り始めた。ザ・テレビジョン、TVbros、テレビぴあ……。

 NHKウィークリー「ステラ」。これだ。この棚の中に、きっとあれがあるに違いない。

 Sさんの存在も忘れて、ガサガサとビニール包装をめくる。果たしてそれは、あった。

NHKウィークリー「ステラ」2003年9月27日~10月3日号
特集「新・連続テレビ小説てるてる家族」。

 どきどきした。いったいいくらだ、2000円までは出そう。値札を見ると、「210円」。安すぎる。直ちに他の号もひとつひとつ確認し、表紙に「てるてる家族」と書かれた号はすべて抜き出した。ぜんぶ買っても2000円足らず。迷わずレジに走った。ガンダムにも、アイドルにも、ゲームにも大してはまらず、おたく道とは無縁と思っていた僕だが、こんなところにマニア心が潜んでいた。

 だが、運命の出会いは、これだけでは終わらなかった。

 それは、ブロードウェイの総本山、「まんだらけ」本店のショーケースを眺めていたときに発見した。手に入るはずのない、そのグッズ。詳しくは書けないが、お宝度は藤子不二雄の処女作「ユートピア最後の世界大戦」に匹敵する(当者比)。

「あの、これ、よく出るんですか?」
「いや、これは今回初めてお出ししたものですね」

 まんだらけのショーケースなんて、今まで全然気にもとめなかった。それが、たまたま今日Sさんを案内したことで目に止まり、初めて売りに出された、このグッズと出会った。まさに、運命の出会いである。

「あるもの、ぜんぶください」

 値段は、全く関係なかった。思いのほか安かったが、多分倍の値段でもためらわずに買っただろう。そうか、「激レアグッズ」を発見した人は、こういう気持ちになるのか。初めておたくな人たちの心が分かった気がした、土曜日の午後だった。

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2006.04.29

お疲れさま、交通博物館

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まもなく閉館する交通博物館

 28日、金曜日の朝8時50分。万世橋にはすでに行列ができていた。
 来月14日で閉館する、交通博物館の開場を待っている人たちだ。開館時刻は9時半。まだ40分もあると言うのに、100人以上の人が並んでいる。

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これ全て入館待ちの人。時刻業を熱心に読みふける人も…
(僕じゃないよ)

 彼らの目当ては、今回初めて一般に公開された、旧萬世橋駅遺構の見学ツアーだ。当日受け付けが1日170人(平日)に限定されており、しかも今日は公開最終日。鉄道史の貴重な一ページである、萬世橋駅の遺構をなんとか見ようと、朝からこれだけの人が集まっているのである。そして、僕もその一人。

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吹き抜けの天井には、ヘリや飛行機も

 交通博物館。

 この古く小さな博物館には、たくさんの思い出がある。母親に連れられて初めて来たのは、1976年ごろのこと。ブルートレインの本を買ってもらい、それから僕の「鉄道少年」としての日々が始まった。当時展示されていた583系寝台電車の寝台を見て、いつか乗りたいと興奮したことは、今も忘れない。それから、ブルートレインの写真を撮り、電車に乗るために小遣いをため、少しずつ旅に出るようになった。少年時代に鉄道を好きになったことが、めぐりめぐって今の仕事につながっている。ここは僕の原点と言ってもいい。

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(上)かつては、あの中に僕もいた/(下)寝台車は消えたが、修学旅行列車は健在/(右)車の展示もある

 子どものころ、無限の広さに思えた交通博物館も、今訪れてみるといかにも狭い。しかも建物中央の大部分を、3階まで吹き抜けの機関車ホールが占めており、こんなに展示物が少なかったのかと、今さらながら驚く。鉄道博物館の要である、実物の車両を展示するスペースが皆無に等しく、それが、埼玉に移転する最大の理由なのだそうだ。

 さて、交通博物館は、かつて中央線の始発駅だった萬世橋駅の位置にある。今も中央線の快速電車に乗れば、御茶ノ水-神田間で萬世橋駅のホームをはっきり確認することができる。僕は、てっきり駅の跡地に博物館が建てられたのだと思っていたが、実は博物館と駅が両方営業していた時期が7年ほどあったらしい。駅の廃止後は、ホームへ通じる階段にフタをして、通路の一部を展示場に転用したため、当時の遺構がそのまま残った。

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萬世橋駅中央階段

 展示室のすぐ裏にひっそりと眠っていたホームへの階段は、湿気やほこりがひどかったものの確かに駅の姿をとどめていた。イギリス式の構造だという立派なれんがアーチや、軍に接収され、はがされたままの階段ステップが興味深い。

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見づらくてスミマセン。イギリス式という高架橋下のレンガアーチ(左上)、
萬世橋駅ホーム下。この上に中央線下りの線路がある(右上)、
ホームに出る階段。途中で左に曲がる。各段の先端に、滑り止めプレートをはがした跡がある(中段2点)、
階段の先端から、旧萬世橋駅ホームを望む。左は八王子行き快速電車(下段)

 萬世橋駅は、中央線が東京駅に乗り入れるまで、東京西のターミナルだった駅である。御茶ノ水駅や秋葉原駅の開業によって存在意義が消え、戦争中の昭和18年に営業をやめたが、日本の鉄道史に残る、重要な遺産であることは間違いない。

 交通博物館の建物も、明治の建築のような装飾美はないが、昭和初期の建築として価値のあるものだと言う。開館当時の写真を見ると、その姿は現在とほとんど変わらず、70年という時間がつい一瞬のように思えてくる。

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1936年の開館当時とほとんど変わらない機関車ホール。
こちらの写真集の中に、ほぼ同アングルの、開館当時の写真がある。

 博物館の建物と、萬世橋駅の遺構が今後どうなるかは、まだ決まっていない。だが、へんな高層ビルを建てたりせず、ぜひこのまま保存・活用してほしい。たとえば、建物を改修して、鉄道・交通関係の図書館、「萬世橋鉄道図書館」にするというのはどうだろう。数多くの鉄道に関する資料と、本物の鉄道遺産が共存する図書館だ。実際は、鉄道関係の資料はすべて埼玉に行くことが決まっているが、これも悪くないアイディアだと思うのだが。

70年間、本当にお疲れさまでした。

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2006.04.27

破壊神跳梁中

 仕事場のPCの調子が悪い。仕事が少し落ち着いたので、データをバックアップした上で、システムを再インストールすることにした。

 夕方から再インストール開始。仕事用ということで、安定して動くパーツばかりを使っているので、特にトラブルはない……はずだったのだが、なんだか今日は難航した。

 ディスプレイドライバがなかなか安定して動いてくれない。仕方ないので最新のドライバをネットから落とそうとしたら、今度はメーカーサイトが異様に重い。やっとの思いでダウンロードが済むと、今度は解像度を上げると液晶モニターが消えるという症状が。システムリセットを繰り返したあげく、液晶モニターのドライバを更新してようやく解決。

 ……何のことやらさっぱりわからないかもしれないが、要するに、「システムをまっさらにしたのに、ちゃんと動いてくれない」ということだ。

 深夜までかかってようやく基本的なセットアップが終わり、プリンターやら、外付けハードディスクやらを接続して再起動。時に、深夜0時40分。動作の確認だけして、終電で帰るつもりだった。

 だが、この日最大の苦難は、この直後に訪れた。

「このディスクは、ファイルかボリュームが壊れているため開けません」

 ……。

 空き領域ゼロ。外付けのFドライブのボリュームが、壊れたらしい……。

 先月、日光でデジカメのメモリーカードを破壊したのと同じ症状だ。しかし、あのとき壊れたデータは300MBほど。今日壊れたハードディスクは、250GBで、保存してあったデータも130GBほどに上る。被害規模は前回の約400倍。シャア専用も真っ青だ。

 もちろん、バックアップは取ってある……と思ったら、写真以外は取ってなかった。過去の仕事のテキストとか、ネットで拾った「てるてる家族」の画像資料とか。とくにものすごく必要というものでもないが、どうしよう。写真も、うっかりバックアップし忘れたものもあるかもしれない。

 前回は、Windows標準のチェックディスクで復旧できたが、今回はそれもダメ。壊れたのはディスク全体の区画情報だけなので、各データそのものは生きているはずだ。そこで、冷や汗をかきながらネットを検索すると、File Scavengerというレスキューソフトを見つけた。デモ版で試してみると、「111,387ファイル発見」。おお、復旧できそうだ。

 しかし、実際に救出・バックアップしようとすると、$80を支払わなくてはならないらしい。うーん、データの救出が$80というのは格安だが、肝心の写真はほとんどがバックアップしていることを考えると微妙だ。もうこのハードディスクは使えないから、もう一台買わなくてはならないし、困った。NintendoDSliteが遠のいていく……。

 そんなわけで、未だに仕事場にいるのでありました。

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2006.04.25

すしぶらざ~ず「日米トーク摩擦 Vol 2」

 高田馬場のブリティッシュパブ「The Fiddler」で、ぜんじろう&マイケル・ネイシュタットの「すしぶらざ~ず」ライブ。

 ずいぶん前にも書いたが、ぜんじろう氏とは、2年前に行われた京畿道観光協会のプレスツアーで初めて会った。当時、NHK国際放送を見て「テツ&トモ」を国民的大スターだと思っていた僕である。失礼ながら、ぜんじろう氏のことは全く知らなかった。

「芸能関係のお仕事はもう長いんですか」

 などと、無礼な質問をしていたものである。この場を借りて、深くお詫びしたい。

 さてさて、ネットで検索すると、いろいろ書かれているぜんじろう氏だが、実際の彼はとても礼儀正しく謙虚な芸人さんだ。今日も、コロナビールを受け取って振り返ったら、「今日はありがとうございます」とぜんじろう氏の方から声をかけてくれた。

 メジャーな芸人とは言い難いかもしれないが、それだけにライブはアットホームな雰囲気だ。狭い店内に入り、カウンターでビールを注文すると、そのすぐ横でぜんじろう氏とマイケル氏がビールを飲みながら喋っている。客たちも慣れたもので、そんな二人を見て大騒ぎするふうでもない。じゃあ、常連だけで盛り上がっているだけなのかというとそうではなく、ライブの緊張感はきちんと保たれている。

 小さなパブだけに、ライブが始まっても客と芸人の距離は1mくらい。段取りも毎回工夫しているようで、「昔流行ったネタ」に頼っていないのがいい。2時間弱の短いライブだったが、久しぶりによく笑った。ぜんじろうファン?ということで一緒に見に来たYさんも、楽しんでくれたようだ。

 5月にもやるそうなので、ぜひどうぞ。

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2006.04.21

ソニー・デジタル一眼レフブランド「α」発表

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 そろそろ告白しても良いだろう。

 コニカミノルタ・αデジタルシリーズのユーザーだ。

 記念、という意味もあったし、仕事と遊び両方に酷使していたEOSの負担を減らす、という気持ちもあった。仕事はEOS、遊びはαというわけだ。まあ、いちおう初代キスデジも生きていることを考えると、後者はどうも言い訳くさい。

 僕が使っているカメラは、コニカミノルタ・αSweetDigital。コニカミノルタが最後に発売したデジタル一眼レフカメラだ。

 すべてのレンズで効果を得られる手ぶれ補正機能。オートでピントを合わせた後、そのまま手動で微調整できるダイレクトマニュアルフォーカス(DMF)など、玄人向けの機能が多い。

 逆に言えば、αSweetシリーズはファミリー向け商品であるはずなのに、やたらとマニアックな機能が搭載されているところに、コニカミノルタの商売下手を感じる。

 たしかに機能はスゴイが、他社製品と比べると、特に小さくもなければ、画素数も見劣りする。特に動作が速いわけでもなければ、デザインがカッコイイわけでもない。ボタンはペコペコしているし、シャッター音もガシャンガシャンと安っぽい。DMFなんて搭載するヒマがあったら、操作ボタンの質感とか、ツボを突いた広告とか、もっとやるべきことがたくさんあったのではないだろうか。

 コニカミノルタのカメラを使うと、いかにすごい技術を搭載しても、それだけではモノは売れないことがわかる気がする。

 さて、ご存じの通り、コニカミノルタは3月末限りでカメラ事業から撤退し、4月からはソニーがαデジタルシリーズの事業を引き継いだ。だが、4月の半ばを過ぎてもソニーからの発表がなく、ユーザーはやきもきしていた。

 昨日、ようやくソニーから最初の発表があった。

 ソニーの一眼レフブランドは、コニカミノルタ時代と同じ、「α」とするという。

 かなりほっとした。正直、「ソニーマウント」とか、「サイバーショットα」とか、そういう格好悪いブランドになることを覚悟していたのだ。また、昔のバイオのように、おしゃれ路線?を取らないこともはっきりした。ミノルタ時代の思想もそれなりに引き継がれるようで、まずはやれやれだ。

 遠からず発表されるであろうソニーのデジタル一眼レフ一号機は、

「PSPで直接再生できる動画撮影機能搭載」

 とか

「音楽再生機能搭載」

 とか

「メディアはメモリースティックのみ」

 とか、そういうカメラでないことを祈ろう。あと、ナントカタイマー搭載でないことも(^^)。

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2006.04.20

さよなら、ちほく高原鉄道

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 北海道の池田と北見を結ぶ、北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線が、今日20日限りで廃止。

 北海道の鉄道も、ずいぶん寂しくなったなあ。

 昔は、白い紙を国鉄路線を書くだけで北海道の形が浮かび上がったものだが、いまは札幌から、各方面にひょろひょろ糸が伸びているような形になってしまった(参考)。

 ちほく高原鉄道は、廃止対象になった道内国鉄ローカル線のうち、唯一第三セクター鉄道として運行を続けていた路線だ。その昔は「網走本線」として札幌から網走へ行くメインルートだった時代もあったが、石北峠に鉄道が開通し、旭川まわりのルートが完成すると、ローカル線に転落した。140kmに及ぶ沿線には観光地もほとんどなく、これまで存続していただけでも奇跡に近い。

 1月に札幌へ行ったとき、日帰りでお別れ乗車をしてきた。JR池北線時代に一度乗ったことがあったが、ちほく高原鉄道になってからは実は初めてだった。大昔、僕にも鉄道に凝った時期があり、小遣いを貯めてはローカル線に乗りに行ったものだ。

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 言っては悪いが、17年ぶりに乗った"池北線"は、やっぱり地味だった。山でもない、川でもない、同じような景色が続く3時間。車内には鉄な人が多かったが、まだまだ混雑するほどではない。池田駅でビールを買い込み、淡々と走る車窓を眺めながら、ゆっくりとした時間を過ごす。足寄などの大きな駅は軒並み新しく、多目的ホールのようになっており、おそらく廃線後も地域の中心として機能するのだろう。

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 唯一の山越えが、陸別-置戸間。十勝国から北見国への 国境越えだ。この辺りは日本有数の低温地帯で、途中の小利別では1978年2月に-38.0℃を記録している。僕も1988年12月に降りているが、ただ「寒かった」以外に記憶がない。蝦夷鹿もよく出るそうだ。

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 ふるさと銀河線の目玉のひとつが、銀河鉄道999列車。列車というのもどうかと思うが、車体の内外に星野哲朗やメーテルの絵が描かれた、ファンキーなディーゼルカーだ。廃止後、この車両はどうなるのだろう。

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「夢をだいて走る宇宙 夢は終着駅に必ず着く」

 その終着駅が「廃止」というのは、やっぱり残念だ。

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2006.04.19

次回訪韓日程決定

5月3~18日に決まったみたいです。

3~7日は、HiSeoulフェスティバルの取材、その後、6月から始まるある仕事のためのネタ集めを行い、15~17日は江原道に行くつもり。実は、デジタル一眼を使うようになってから、雪岳山に行ってなかったんですよね。

コーディネートの仕事も入りそうな予感。はてさて。

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うがい中

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さ、そろそろ仕事がんばるぞ。

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2006.04.18

【韓国留学まで 3】 同期の退職

「俺さぁ、会社やめるんだ。世界一周の旅に出ようと思ってさ」。

 そう言って、同期のNはすぱっと会社をやめてしまった。僕はびっくりした。自分が無理だとあきらめていたことを、彼はさらりとやってしまったのだ。Nはバックパッカー向けの本を企画したことがあり、その方面の人脈にも長けていた。でも、まさかこれほどあっさり会社をやめるとは。しかも、長年付き合っていた彼女と籍を入れ、2人で出かけるという。

 驚くと同時に、焦った。

「今さら、もう世界一周はできないな」

 と思ったのだ。

「Nと同じことはできない。何か、他のことをしないと」。

 しかし、何をするのかは全然見当がつかなかった。Nが退社しなかったら、僕はそのまま「なんとなく」会社に残っていたことだろう。それはそれで、幸せだったのかもしれないが。

 Nは、結局2000年春から約3年にわたって夫婦で世界を旅した後、今は日本でIT関連企業に勤めている。

 さて、Nの告白?から、まもない3月。
 韓国観光公社から、FAMツアーの誘いが届いた。

 FAMツアーのFAMとはFamiliarityの略で、主に観光協会などが主催し、ある特定の地域や施設を「熟知」してもらうために、旅行会社やメディア関係者を招待するツアーのことだ。

 韓国は、前年の1999年、ハワイを抜いて日本人渡航者数がもっとも多い地域となっていた。

 しかし、その訪問先はソウル・釜山・済州に極端に偏っており、全羅道、江原道などの地方を訪れる日本人はほとんどいない。そこで、旅行会社企画担当者やメディア関係者を対象に、全国の観光物件を見せてまわるFAMツアーが企画されたのだった。

 1回目は、2000年4月上旬に4泊5日で実施し、主に韓国南西部の全羅道を中心に催行。2回目は夏を目処に江原道・京畿道をまわり、3回目も企画中……ということだった。

 旅行会社でなく、メディアまで招待されるというのは当時としては珍しかった。厳しいバーター(交換条件)があるわけでもなく、韓国担当になって間もない僕にとっても勉強にもなるだろうと、参加することにした。

 ……今考えると、このFAMツアー参加が最初のきっかけだったように思う。

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2006.04.17

駒ケ根高原のむヨーグルト

 さて、伊那の話の完結編。

 ソースカツ丼にローメン、うしお煮など、いろいろ旨いものを食べたが、実はいちばん気に入ったのは、これ。

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 JA上伊那 駒ケ根高原のむヨーグルト

 ヨーグルト好きにはたまらない、すっきりしていながら濃厚な口当たりがいい。「のむヨーグルト」と言ってはいるが、ドリンクというよりはヨーグルトクリームだ。スプーンがほしいと思うほどトローンとしている。ヨーグルトにありがちな酸味のきつさがなく、甘すぎることもない。あんまりおいしいので、おみやげに900ml入りのペットボトルを2本も買ってしまった。クーラーボックスと冷却剤が付いて、1,300円。そんなに高くもない。

 さて、このヨーグルトの欠点は、ただひとつ。

 それは、さいごのほうが飲みにくいこと。

 あんまり濃厚すぎて、ヨーグルトが瓶の底に留まったまま、出てこないのだ。

 もったいないので最後まで飲みたいのだが、それには瓶を口にあて、天を仰いだ姿勢のまま十数秒耐えなくてはならない。

「瓶を、横に倒すといいですよ」

 地元民である友人Rが的確な助言を与えてくれた。やっと暖かくなってきた春の午後。隣では、西原理恵子のまんがに出てきそうなガキども子供たちが、芝生の上をゴロゴロ転がってはしゃいでいる。ここは、駒ケ根ロープウェイ乗り場に近い、駒ケ根ファームのベンチだ。

 僕らは、横に倒したヨーグルトの瓶を、そのままじぃっと見つめていた。

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【韓国留学まで 2】あてもなく、貯金。

 1996年、沢木耕太郎の「深夜特急」が大沢たかお主演でドラマ化。「進め!電波少年」では、猿岩石の「ユーラシア大陸横断ヒッチハイク」が社会現象となり、この頃、バックパッカーは一種のはやりだった。

 僕は、昔から蔵前仁一のバックパッカー本を愛読し、周囲に世界一周をした友達も大勢いた。学生時代は国内に目が向いていて、ほとんど海外には行かなかったが、大沢たかおや猿岩石らを見ているうちに、「やっぱり一度は世界を見たい、できることなら世界一周したい」と思うようになっていく。

 それで、貯金を始めた。1997年暮れ頃のことだ。

 もちろん、苦労して就職した立場を安易に捨てて、後先を考えずに半年や1年のバックパック旅行に飛び出すことはあり得ない。そういう人は掃いて捨てるほどいるし、モラトリアム期間にこそなっても、仕事をする上での「経験」にはならない。

 現実には、自分がそんなむちゃな旅をすることはあり得ない。それは内心わかっていたが、「自分はいつか海外に出る」という、漠然とした気持ちは心の中にずっと居座った。

 彼女もおらず、「将来のための貯金」は全然しなかった自分だが、「世界を見るため」という動機ができると、急にお金が貯まりだした。97~98年ごろはたいしたことなかったが、99年から2000年にかけては、ボーナスには全く手を付けず、年間100万円くらい貯金していたはずだ。

 そうこうしているうちに、1998年夏、僕は海外旅行のガイドブック編集部へ異動になる。

 最初のうちは、中国やヨーロッパを担当していたが、1年ほどたった頃、韓国を担当していた部員が部署を離れた。そこで、後任として、僕が韓国も担当するよう命じられたのである。

 「何か経験を積みたい」「いつか世界に出てみたい」。そんなことを漠然と考えながら、あてもなく貯金に励んでいた頃、僕は仕事で「韓国」とかかわることになった。その頃は、韓国について担当地域のひとつという以上の興味はなかったのだが。

 さて、韓国担当を命じられてから、またしばらくたった2000年早春。僕の周囲で、とんでもないことが起きた。

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2006.04.16

半日秋葉原ガイド。

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 今日15日は、友人のSさんに韓国語を教える日だった。秋葉原駅前で待ち合わせ。

 なんで、秋葉で待ち合わせなのかというと、この僕に秋葉原を案内してほしいと言うのだ。

 勉強はさっさと終わらせ、「肉の万世」で軽いランチをとってから、交通博物館に入ってみた。5月14日で閉館が決まっているだけあって、今まで見たことがないほど混雑している。旧万世橋駅のホームへ続く階段や、電車の運転台で「ホー!」とか言って踊りまくっている兄ちゃんなどを見物。展示物そのものよりも、案内板のレトロな文字が興味深い。

 「くりはらさん、電車についている、キハとかナハとかって、何ですか?」

 「それは、車両の種類を識別する記号です。キハは「気動車」のキで、ディーゼルカーということ。ハは設備の等級で、普通車を表すんですよ。ちなみにグリーン車は"ロ"で、昔はその上に"イ"と表記される一等車があったんです。"ナ"というのは、動力を持たない客車の重さを表す記号で(以下略)」

 電車のことはよくわからないので、説明するのはしんどい。
 博物館を出た後は、ガード下のカフェ、古炉奈でひといき入れた。

「じゃあ、秋葉原をひとまわりしましょう。どんなところに行きたいですか」
「くりはらさんにお任せします。フィギュアがあるとことか、アニメとか。あ、パソコンのパーツとか売ってるところとかも」

 ……_| ̄|○

 フィギュアやアニメはさっぱりわからないが、とりあえず中央通りを歩けばなんとかなるだろうと歩き出した。そして、僕たちの目に入った店は……「とらのあな秋葉原1号店」。

 神に誓って言うが、僕もこの手の店に入るのは初めてだった。それはそれは大変な体験だった。

「その階段を降りちゃダメです!」
「ダメなんですか?」
「成年向けフロアって書いてありますよ! うえ! 上のフロアに行きましょう。どうじんし、があるみたいです!」

2階に到着。
「……なんか、女の人がいませんね」
「……さっき一人いましたよ」
「……これはなんですか?」
「……等身大フィギュア "ファンタスティック" 、ですか。着替えの服も売ってますね」
「……高いですね」
「……そうですね」

続いて3階。
「……CDいっぱいありますね」
「……どうじんそふと、らしいですよ」
「……安いですね」
「……そうですね」

 だんだん、口数が少なくなっていくのを感じた。

「フィギュアはだいたいわかりました」

 そうですか。良かったです。

 この後、TZONE PC DIY SHOPクレバリーあきばおー俺コンハウスカクタソフマップヤマギワソフトを案内したが、詳しい話は頭痛がするので省略。その代わり、親切な僕の発言のごく一部を記しておこう。

「これはベアボーンといって、CPUやメモリを別に購入してですね」
「これ、全部マザーボード、つまりパソコンの中枢部に当たる部品で」
「好きなケースを選んで……、いや、全部規格品なんで難しくないですよ」
「ここ、DVD-Rの50枚組が安いんですよ」
「こっちはOSなしの棚で、そちらは極上美品の棚。もっと安いのは上のフロアにあります」

 各台詞の最後に「(ハァハァ)」を追加して読むと、よりリアルに伝わるかもしれない。

 17時半、そろそろSさんが帰る時間になった。

「くりはらさん、すみません、夫が待っているので……。今日はどうもありがとうございました。今度は中野ブロードウェイに連れて行ってください」。

 人に喜ばれることをすると、気持ちがいいものだ。

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1日ターミナル・中野駅

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 新宿駅南口の、甲州街道跨線橋掛け替え工事が行われ、中央線快速電車は終日運休。

 「あずさ」「かいじ」などの特急電車は中野駅で折り返し運転を実施し、今日(15日)だけ、中野が東京西のターミナルになった。

 韓国なら、実施の3日前くらいにいきなり告知され、みんなぶーぶー言うところだが、さすがは日本。一カ月以上前から、電車内や駅など、あちこちで周到な告知が行われていた。

 が、しかし。

 やっぱり、今日の中野駅は大混乱であった。まあ、いくら早くから告知しても、みんなあまり見ていない、ということなのかもしれないね。

 「本日新宿駅工事のため、中央快速線は運休しております!」

 改札の周囲では、駅員が拡声器で叫んでいる。乗客も、普段の倍くらいいるようだ。

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 ところで、中野駅が混雑したのには、もうひとつ理由があった。中野駅の、中央・総武線各駅停車新宿方面行きの乗り場には、昔から大きな欠陥があるのだ。

 それは、新宿方面行きの乗り場が2カ所に分かれていることだ。

 中野駅始発の新宿方面行き電車は2番線から発着するが、三鷹始発の電車は、5番線から発着するのである。乗客は、いちいち電光掲示板を見て、次の電車が2番線発か5番線発かを判断しなくてはならない。しかも、5番線には、同じ三鷹始発の地下鉄東西線電車も発着しており、間違えやすい。

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 それでも、普段中野駅から新宿方面に行く人は、大部分が8番線発着の快速電車を利用するので、間違いは少ない。ところが今日は、新宿方面へ行くあらゆる人が各駅停車を利用する。当然、2番線と5番線の使い分けに慣れていない人が多く、中野駅は大混乱だった。

 もちろん、今日しか見られない「中野行き特急あずさ」を目当てに、「鉄」な人たちもたくさん来ていた。まったくご苦労なことである。

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↑こんな写真を撮って、何が楽しいのだろう。いやあ、理解できませんね。

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今日だけ、新宿駅の駅弁も売っていた。

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2006.04.15

伊那・駒ケ根で食べた旨いもの。

 まずは、ソースカツ丼。

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 昔、卵でとじる関東のカツ丼が苦手だった僕にとって、ソースカツ丼は夢の食べ物だった。ご飯の上に、ソースのかかったトンカツが載っているのだ。一度、食べてみたいと思っていた。後年、トンカツ定食のカツとキャベツをご飯に載せれば、みごとにソースカツ丼になることに気がついたが、これはまさにコロンブスの卵というやつであろう。

 しばらく前まで、恥ずかしながらソースカツ丼と言えば福島・会津という認識だったのだが、最近は伊那や駒ケ根もソースカツ丼を売り出しているそうだ。

 ソースが甘めなのは、もしかしたら名古屋圏の影響を受けているのかもしれない。超分厚い豚肉は、下手に揚げると堅くて食べられないが、このトンカツはさくさくと食べやすい。しつこい脂身も少なく、カツの旨さを存分に楽しめた。僕らが行ったのは、「青い塔」。創業60年の歴史を誇り、現在の店主は二代目だそうだ。街道から少し奥まったところにあるが、地元客や旅行者で繁盛していた。

 次に、これは外せない、伊那名物ローメン

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……ごめん、もう酔っぱらってたんで写真が適当だ。

 ローメンは、伊那で生まれた麺料理で、蒸した太めの中華麺に、炒めたマトンやキャベツを載せ、各店独自の味付けをしたものだ。マトン肉とはいえ臭みが少なく、ビールによく合う。僕が食べた店は、伊那市駅近くの「うしお」。友人R曰く、「電話で予約した方がいい」ほどの人気店で、新宿しょん…思い出横丁にありそうな、シブイ店構えだ。この店が東京にあったら、たぶん僕は週3回くらい、カウンターでへべれけになっていることだろう。

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 この店の、もうひとつのヒットが「うしお煮」。

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 ……これも写真がヒドイ。ほんとにモツしか入っていない煮込みで、とにかくンまい。なんかだんだん国語力が低下している気がするが、これひとつでビール3杯はイケる。冷めるとしょっぱいので、手早く食べよう。

これもつづく。

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2006.04.14

【韓国留学まで 1】なんとなく、違和感。

 1996年、僕は、大学を卒業してある出版社に就職した。配属されたのは旅行ガイドの編集部。希望通りの部署だった。その出版社は、社会的にもそれなりに知名度があり、自由な雰囲気のある会社だ。でも僕は、入社してしばらくした頃から、何となく違和感を抱いていた。不満ではなく、違和感だ。

 その違和感とは、何か。

 こんなことがあった。入社1年目の秋。ある地方都市の、地ビール工場兼レストランの完成披露パーティに出席したときのことだ。

 地元選出の与党代議士の祝辞を、僕はホールの一番後ろで聞いていた。そこへ観光協会の人が来て、耳打ちした。

「くりはらさん、××先生の後に、ひと言壇上でごあいさつを頂きたいのですが」

 びっくりした。僕に、与党代議士に続いて祝辞を述べろというのだ。駆け出しの自分に、そんなことできるわけがない。しかし、東京の出版社からわざわざ記者が来たというのは、とても意味のあることなのだという。

 ついこの前まで大学生だった自分が、出版社の編集者というだけで、何の経験がなくてもこれだけの扱いを受けてしまう。それが、当時僕が感じた違和感だった。

 ふだんの仕事でも、似たようなことがあった。部署や企画にもよるが、出版社の社員は、自分で取材をしたり原稿を書くことは少ない。出版社の社員が漫画を描かないのと同じで、取材・執筆は外部のライターや編集会社に依頼することがほとんどだ。

 もう何年もキャリアを積んだ、歳(とし)もはるかに上の人たちが、「よろしくお願いします」と僕に頭を下げる。僕の方は、取材なんて一度もしたことがないのに、編集プロダクションの人たちに「指示」を出さなくてはならない。

 出版社は、新卒で入るものではないのかもしれない。出版社の編集者は、もっと社会でいろいろな経験を積んだ人がなるべきではないだろうか。

 さて、じゃあその「経験」って、何だろう。

 入社して1年が過ぎる頃、僕はそんなことを考えるようになっていた。

つづく。

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2006.04.13

伊那市グリーンファーム

 突然ですが、ここでクイズ。
 次の2枚の写真のうち、長野県伊那市にあり、地元高齢者の就労にも実績のある、生産者1500人を擁する全国有数の産直市場、「グリーンファーム」は、どちらでしょう。

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 答えは言うまでもありませんね。えーと、……あれ?

 そんなわけで、長野県にいながら、まるで韓国・京東市場のようなディープな空気を味わえる場所が、産直市場「グリーンファーム」だ。伊那市の西部にあり、いつも地元の客で賑わっている。「きれい」「整頓」の対極にあるような雰囲気で、野菜だけでなくあらゆる食品、生花、日用雑貨がそこらじゅうに無造作に積まれている。

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 この店を眺めていると、ここからわずか3km東に、ドトールコーヒーやマクドナルド、ユニクロまで入った大型ショッピングセンターがあるとは信じられない。ある意味、日本という国の奥深さとは言えまいか。

 それでも、古い建物を使った市場なら、地方に行けばけっこうある。このグリーンファームが他とひと味違うのは、そこが動物園を兼ねているつもりなのかもしれないということだ。

サルがいる。

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ヤギもいる。

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ダチョウだっている。

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クマまでいる。

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 なんでやねん。

 ……ヤギがほんとに紙食べているの、初めて見た。こいつらが、何のためにここにいるのかは全く謎。みはらしファームに行けば、ダチョウ料理を食べられるらしいが、ここのダチョウは食肉用というわけではないようだ。

 えーと、オチはなし。

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考試院の申し込み方

 また、メールで質問が来た。

 考試院の申し込み方を教えてほしい、韓国語のサイトでさがすほど韓国語ができない、といった趣旨だった。

 正直に言って、韓国語のサイトを読むだけの語学力や熱意がないのなら、考試院に滞在するのは極めて難しい。安いホテルに泊まることをお勧めする。

 考試院の申し込み方といっても、韓国語さえある程度できれば、難しいことはない。大学の周囲などを足でまわって、これはと思った考試院で、部屋を見せてもらうだけだ。最近はオートロックの施設が多く、その場合は玄関に書かれている番号に電話する。今の時期は、新年度になった直後で、良い部屋を見つけるのは大変だ。1カ月以下では受け付けてもらえないことも多い。

 ネットでさがすなら、ここここここなどでいろいろさがしてみるといいだろう。

 いずれにしても、質問は掲示板、あるいはコメントのほうへお願いします。

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2006.04.12

木曽・奈良井宿の駐車場

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江戸の街道情緒を残す(でも寒い)奈良井宿

 余った青春18きっぷを使って、信州・伊那に行ってきた。

 伊那に住む留学時代からの友人Rに会って、うまくいけば高遠で満開の桜を眺めようという企画だったのだが、

 ……激しくさむい。

 気温、3度。

 天候、晴れ、ときどき吹雪。ところによって黄砂。

 意味が分からない。ていうか、満開の桜どころではない。

 今朝出かけるときに、コートを持って行くかどうか最後まで悩んだのだ。持ってきて良かった。僕の雨男も、ここまで来ると命がけだ。

 Rの最寄り駅で待ち合わせ、車で出発した。彼女が提示した3つのコースから、僕が最初に選んだのは「権兵衛トンネル」。今年2月に開通し、伊那と木曽を初めて直結した南信悲願の?トンネルだ。シブイ。

 高速道路のような立派な権兵衛トンネルを抜け、木曽路・奈良井宿に到着。馬籠などと並ぶ中山道十一宿のひとつで、約1kmの街道に、江戸時代の宿場町が保存されている。

「駐車代500円? 高いなあ」

 Rが言った。奈良井宿の駐車場が、有料500円というのが許せないようだ。どうせ買い物もしないのだし、カンパくらいの気持ちで500円くらい払ってあげようよ……というのは、旅行者の発想らしい。僕が払うから、という申し出を無視して、彼女は駐車場のおじさんに話しかけた。

「この辺全部有料なんですか? 伊那から来たんだけど、どこか無料でとめるとこないかねぇ?」

 地元の人同士ということで、馴れ馴れしく話しかけた方が良いのだそうだ。

 だが、おじさんに駆け引きは通じなかった。

「この辺は、みんな有料だよ。停めるなら、奥の坂の上がたくさん空いてるから」。

 しぶしぶ奥の駐車場まで車を走らせたが、ここにも「500円」の看板が見える。入口まで来て、彼女は引き返した。

「やっぱり、高い」

 再び最初の駐車場付近に戻り、辺りをうかがっている。

「ここにしよう」

 そう言って彼女が車を停めたのは、駐車場の横にある建築会社の駐車場だった。たしかに、週末で人影は見えないけれど、大丈夫だろうか。小心者の旅人は、びくびくしっぱなしである。結局何も問題なかったばかりか、4時すぎに車に戻ると、有料駐車場から係員の姿がすっかり消えていた。あんまり厳密なものではないらしい。

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建築会社の裏は、中央線の旧線跡。ちょっとコーフンした

 夕方、伊那に戻ってから、Rは自分の母親に駐車場の話をした。

「駐車だけで500円も取るんだよ!」

 そんなにひどい話だったのか。観光地で500円というのは、別に高くない気がしたが、それはよそ者の感覚であるようだ。

「教えてあげればよかったわ。駅のほうに行けば、無料で停めるところがたくさんあったのに」

 そこまで把握しているお母さんもすごい。

 でも、東京に戻ってから考えると、確かに500円は高い、という気がしてきた。

 奈良井宿に滞在したのは1時間ちょっと。駐車代が500円ということは、だいたい15分100円ということになる。ふだん都内で生活しているときは、コイン駐車場に「15分100円」とあるのを見て、僕も「高い」と思っているのだ。駅弁を買うときも1000円くらいすぐ出すが、コンビニで1000円の弁当があったらまず買わない。普段の生活モードと、旅行のモードでは、金銭感覚が大きく変わるということだろう。

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2006.04.10

電子辞典を購入したショッピングサイト

 メールフォームを通じて、質問のメールが来た。

 以前、このブログでも取り上げた韓国カシオの電子辞書、EW-D3700。これをどこのショッピングサイトで購入したのか教えて欲しい、というものだ。

 僕が昨年利用したショッピングサイトは、韓国のCFmallだ。ここは、「非会員の注文・配送照会」というメニューがある。サイト上で注文を確定させてから、3日以内に国民銀行の指定口座に全額を振り込めば、ありがたいことに住民登録番号などがない人でも注文できる。

 配送先は韓国内に限られ、韓国の電話番号を要求されるので、ある程度継続して韓国にいる人でないと利用は難しい。

 ちなみに、EW-D3700の現在の値段は20万3,700w。この1年でだいぶ値段が下がったようだ。最近はレートが悪いので、日本円では2万4000円ほどということになる。

 ただし。

 今から購入するなら、この機種はお勧めしない。

 今なら、日本向け製品のほうがいい。というのも、ついにあの小学館「朝鮮語辞典」を収録したモデルが登場したからだ。その代わり、日韓辞典は、携帯用のポケットプログレッシブしか収録しておらず、本格的なものが欲しければ、別途メモリーカードで購入しなくてはならない。価格コムによれば、「朝鮮語辞典」搭載モデル、ED-ST7600は、3万円前後で購入できるようだ。プログレッシブと併せて、4万円。青空文庫などのテキストリーダ付き。うーん、ほしいかも。近いうち、ヨドバシで触ってレポートしよう。

 ところで、お願い。メールでの質問は基本的に受け付けていません。原則として、コメント欄か、掲示板にお願いします。どうしても他の人に見られては困るという場合や、質問以外で、私に直接連絡を取りたい場合のみ、メールフォームをご利用ください。よろしくお願いいたします。

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2006.04.08

mixi稼働中。

 登録以来、ずっとほったらかしだったmixiだが、最近やっとまともに運用するようになってきた。

 まあ、日記もこのブログにリンクさせてるし、mixiだけでやっていることはほとんどないんだけれども。

 なんだか、長いことご無沙汰していた高校・大学時代の友人と続々連絡がとれている。学校のコミュニティに登録すると、見たことのある名前がぽこぽこ目に入ると言うわけだ。こちらから何もしなくても、懐かしい名前の人から「もしかして、あなたは……」とメッセージが届いたりする。

 懐かしいし、友だちのつながりが復活するのは良いんだけど。ひとこと、言っておきたいことがある。

 僕に連絡をくださる皆さまは、どうして揃いも揃って「もしかしてあのカゲリさんですか?」とか、「今でもたまに友だちと会うと、カゲリさんの話が出ます」とか仰るんでしょうか。そんなに有名人だったっけ?

 紹介制で、限られた人しか見られないSNS(ソーシャルネットワークサービス)は、発表の場としては全く魅力を感じないんだけど、友だち同士の連絡には良いかもしれないね。

 ちなみに、本名でやってるんで、お暇な方は検索でもしてみてください。今なら、「ブログ見た」で1割引のサービス中。ただし、ネット、リアル含めて全く面識がない方からのマイミクは、お断りする場合がありますのでゴメンナサイ。

 さてさて、今週末は、余った青春18きっぷを使って、中央線の旅に出ます。高遠の桜を見ようと思ったら、まだちょっと早い模様。そう言うわけで、飯田にでもいこうかな、と考えている。では、行ってきます。

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2006.04.07

「ニコニコ日記」再放送

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 NHKのよるドラが好きだった。

 朝ドラならぬ「よるドラ」は、NHK総合テレビで、月曜から木曜のよる11:00から15分ずつ放送されていたドラマだ。ひとつの作品は全20話前後とコンパクトにまとめられ、お約束のない、老若男女が楽しめる斬新なドラマが多かった。

 多かった、と過去形なのは、このシリーズが昨年末で終了してしまったからだ。最後の1年はレベルが低下していたとは言え、「女神の恋」、「ブルーもしくはブルー」、「ちょっと待って、神様」などの名作を生んだ枠だけに、残念だ。

 さて、27作品あるよるドラの中で、僕がいちばん好きな作品は、木村佳乃、永井杏主演の「ニコニコ日記」だ。流されて生きていた売れない脚本家・小鳥遊ケイは、ある日、かつて自分が付き人をしていた女優・紫野美冬の隠し子、ニコに出会う。共同生活を始めたケイとニコは、交換日記をしながら、心を通わせていく。「ナチュラル」を大切にし、リハーサルすらほとんどしなかったという二人のやりとりは、眺めているだけで心に染みる。

 とくに、子役の永井杏が素晴らしい。僕に、24年の人生で唯一子どもを育てたいと思わせたドラマだ。

 その「ニコニコ日記」が、今週からBS2で再放送している。
 第4話の今日も、しっかり泣かせてもらった。タイトルバックの、木村佳乃と永井杏が遊んでいる映像を見ただけでうるうる。ファービィならぬハラホレ君が、ケイに語りかけるラストは、何回見てもぼろぼろ。もう、「梅干しを見るとつばが出る」状態。録画したDVDを再生すれば、自動的に塩水が出るのだから、ダイエットに最適だ。

 最近、面白いドラマがないと思っている人は、今からBSに加入してでも「ニコニコ日記」を見ることをお薦めする。あと6週間、幸せな夜を過ごせることだろう。

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2006.04.06

瀕死の重傷

 1枚の用紙に複数ページを印刷でき、さらにインクも薄くして節約できるというユーティリティを入れてみた。

 インストール終了、再起動。

 ……Windowsが起動できなくなりました_| ̄|○

 セーフモードではなんとか動くが、通常起動すると、途中で必ずブルースクリーン→リセット。

 セーフモードからシステムの復元を試みる。

 しかし、こいつがとてつもなく遅い。所要2時間。その間やることなし。

 ようやく起動に成功したと思ったら、せっかくのユーティリティは消え、さらに右クリックするとフリーズという悪夢が待っていた。しばらく前にこの症状に見舞われ、Windowsの視覚効果をすべてオフにして対処していたのだが。今度は視覚効果をオフにしてもフリーズする。ポインタは動くが、砂時計になったまま帰ってこない。

 タスクマネージャを開いても対処できず、しょうがないので再びシステムの復元を実行。戻れるいちばん最初まで戻った。もちろん、またもや所要2時間以上。ここで時間切れとなり、打ち合わせのために外出した。午後から何にも進んでない。

 打ち合わせから戻り、再びWindowsを起動すると、また視覚効果がオンになっていた。もういちどすべてオフ。やっとWindowsがまともに動くようになった時には、夜11時が近かった。

 また、破壊神がムクムクと動き始めているようだ。近いうち、システムの再インストールをしないとなあ。

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2006.04.05

メディアは世論を誘導する?

  週刊アスキーの連載コラム「今週のデジゴト」。筆者の山崎浩一氏は、韓国、あるいは朝日新聞などのメディアに批判的な意見を持っているようだ。今週号(4月18日号)でも、日本のWBC優勝を、韓国のメディアが「憂慮していたことが現実になった」と報じたという、ブログの記事を引用し、批判的にコメントしている。

 日本のメディアが「韓国も日本の優勝を祝福」などと日韓友好を必死に演出しても、今やこのようなブログで簡単に"現実"を知ることができる。

 首をひねった。「韓国も日本の優勝を祝福した」という、"日韓友好を演出した"報道は、見た記憶がない。むしろ、「韓国では、日本の優勝を"きまりの悪い成績"と悔しさをにじませて報道」などと、ライバル心をみなぎらせた報道が多かった。

 なぜ日本のメディアは事実や現実を隠すようなことまでして、日韓友好ムードを演出し続けるのだろうか?

 山崎氏はこう問いかけ、その背景に「メディアは世論を誘導すべきである。なぜなら大衆は愚かで啓蒙されるべきだから。それは事実を報道することよりも優先されるべき」という意識が潜んでいると指摘する。

 世論を誘導することと、日韓友好ムードを演出することがどう結びつくのか、僕にはよくわからない。「大衆が愚かだ」から「日韓友好ムードを演出する」というのは、無理がある。

 もしかしたら、山崎氏には先入観があるのではないだろうか。すなわち、「朝日新聞などの左派系メディアは、現実を隠蔽し韓国・中国におもねる世論誘導をする」、「メディアには第4の権力というおごりがある」という先入観だ。

 たしかに今、ネット世代を中心に、こうした先入観、思考停止が横行しているように思う。それは、「メディアは信用できない」というイメージを作り、「信用できるのはむしろネットの発言だ」という意識を生む。

 山崎氏は、冒頭のブログを指して、「今やこのようなブログで簡単に"現実"を知ることができる」と言う。さらに、「韓国メディアの公式サイト、韓国人のブログ、NAVERの掲示板などを覗けば、もっとナマナマしい現実も知ることができる」、「新聞を読むよりネットで検索すればいい」とまで言っている。

 しかし、ネットを検索していろいろ読んでも、事実は簡単にはわからない。外国人が、「日本人の考え方は、日本人のブログや2ちゃんねるを覗けばわかる」と言ったら、日本人は「見方が一面的だ」と思うだろう。ネットの記事は、さまざまな人が自由に書いているだけに、そこから事実を読み取るのは新聞を読む以上に難しい。

 韓国が、WBCの日本優勝を「恥ずかしい優勝」と報じたことは事実だ。日本の"ネチズン"は、やっぱり韓国はけしからん、反日の国だと怒る。では、今韓国に反日意識が渦巻き、在韓の日本人が身を隠すように暮らしているかと言えば、そういうことは全然ない。「やっぱり日本の野球は強いねえ、でも、もうウリナラも実力じゃ負けないよ、次は絶対勝つよ」くらいのもので、今日もソウルのあちこちで、韓国人と日本人は仲良く酒を酌み交わしている。

 新聞をうのみにする人もどうかと思うが、ネットの記事をうのみにし、先入観を持つのもおかしなことだ。

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2006.04.04

次回訪韓日程

どうやら、5月3日からということになりそう。

一応仕事だが、個人的な活動?もするつもり。最近ネタ切れ感があるので、ちょっと変わったことをしてみようかな。

期間は…… せいぜい10日くらいかな。その辺は、まだ未定だ。

1カ月くらいはいたいんだけど、そうもいくまい。

少なくとも5月1、2日は日本にいることが確定したわけで、5月に日本にいるのは、実に5年ぶりということになる。

さて、なにをしよう。

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2006.04.03

OAチェアを選ぶ

 今の事務所で仕事をするようになって1年半。以前から置いてあった椅子を借りて使ってきたのだが、正直に言って、僕の身体に合わない。背もたれが小さく、バネが壊れているのか中途半端に倒れるので、よっかかって居眠りする考えをめぐらす、といったことができないのだ。

 そんなわけで、OAチェアの購入を検討中だ。

 最初は、通販で5000円くらいの安いチェアを買おうと思っていたのだが、調べるうちに気が変わった。そもそも、OAチェアは、デスクワークをするうえで最も重要な道具ではないだろうか。定時がなく、終電までデスクに向かうことが多い僕は、なるべく疲れない、休めるチェアを買うべきだ。

 あれこれ考えて、ハイバックタイプ、つまり背もたれが頭の位置まであるタイプのチェアを買うことにした。このタイプは、良い物ならそれこそ20万円以上するものもあるが、ネットで探すと、1万円程度からあるらしい。

 楽天の売り上げランキングでは、サンワサプライのSNC-NET4BKNがいちばん人気だ。たしかに、ハイバックタイプで可動式の肘当てや腰当てが付き、1万1300円というのは安い。だが、シートまでの高さが460mmと高すぎる。僕の環境では、420~430mm程度まで低くできないと困るのだ。輸入品が多いせいか、どうもOAチェアは座高が高い製品が多いようだ。外国人向けの設計になっているのだろう。

 次に気に入ったのは、ロアスのRZS-102。通販の最低価格は1万4000円ほどだ。ヨドバシの展示品に座ってみると、高さよし、奥行きよしで、僕の身体にぴったり。このクラスにしては全体にコンパクトにまとまっているのもありがたい。しかし、背もたれのてっぺんが後ろに傾斜しており、寄り掛かって頭を預けようとすると見上げる姿勢になってしまう。別途枕を用意すれば解決するが、何のためのハイバックだかわからなくなる。

 だんだん、値段の高いチェアに目移りしてきた。シグマAPOのMFS-N595。座面が単なるウレタンで安っぽいが、415mmまで下げられるうえ、奥行きもまずまず。リクライニングの具合がちょうどよく、疲れたら爆睡仮眠することもできそうだ。リクライニングを4段階に固定できるのも便利で、キャスターの台がコンパクトで、狭い僕のデスクでも無理なく設置できる。だが、値段は1万9800円にまで上がってしまう。最初の予算の4倍だ。

 REMEXのナップチェアーの評判が良いらしいが、さすがに3万以上のチェアには手が出ない。値段のサンワサプライ、座り心地のロアス、寝心地のシグマ。

 さて、どれを選ぼうか。まだ決めていない。

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2006.04.02

ワンセグ、そしてTU

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 そう言うわけで、昨日4月1日から、モバイル向け地上波デジタル放送「ワンセグ」が本放送を開始した。

 当然、ケータイ以外の受像器も発売されるのだろうと思っていたら、発売予定があるのはNintendoDSとPC用のチューナーユニットだけらしい。現時点でワンセグを試聴できるのは、ドコモとauの対応端末だけと言うのだ。理解に苦しむ。

 ワンセグ自体は携帯電話のネットワークとは無関係な技術で、対応チューナーさえあれば、無料で受信できる。「携帯電話機」に限って搭載する必然性は、全然ない。基本的には、地上波デジタルの番組、つまり普通の地上波の番組をそのまま受信できるのだから、シンプルな携帯型液晶テレビにこそ真っ先に搭載するべきではないだろうか。

 出先で、ニュースやドラマをきれいな映像で見るために、テレビとは無関係な携帯電話を契約しなくてはならないというのはおかしい。1万9800円くらいで、シンプルなハンディ受像器をさっさと発売してほしい。ちょっとだけ流行りかけた「お風呂TV」にも、最適だと思う。

 ところで、韓国では1年ほど前から、携帯用デジタル放送サービスが始まっている。その名も、テイクアウトTV「TU 」

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 TUは、ワンセグと異なり、受信契約が必要な有料サービスだ。放送内容も通常のテレビとは異なり、11のテレビチャンネルと26のラジオチャンネルがある。NHKの国際放送は見られないが、SBS・MBCのドラマ、アニメ、ニュース、映画など一通りのジャンルが揃っている。「ワンセグ」というよりは、モバイルUSENに近いサービスと言えるだろう。

 日本より先行している分端末も多く、携帯電話端末だけでなく、専用受信機や車載用受信機も数機種ずつ揃っている。

 月額視聴料は1万3000W(約1500円)。モバイルUSENが、コンテンツの貧弱さからさっぱり盛り上がらないのとは対照的に、韓国では結構人気を集めているようだ。日本なら、いくらテレビ番組を見られるとは言え、ケータイの1サービスに1500円はなかなか払わないように思う。知的所有権にはほとんどお金を出さない韓国の人たちが、こうしたサービスにはどんどこお金を出すというのは、なかなか興味深い現象だ。

 でも、僕自身は、韓国の人が、外で一人でTUを視聴している光景は見たことがない。もしかして、家で見ていたりするのかなあ。

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2006.04.01

風のハルカ 完結。

 NHK朝の連続テレビ小説「風のハルカ」最終回。不満もあるけど、いいドラマだったと思う。

 主人公が何か大きな夢をつかむとか、いるだけで周りを明るくしてしまうとか、そういうありがちな朝ドラとは少し違った。

 「まんてん」の最後の頃から朝ドラを見ているが、正直言って朝ドラの「お約束」は好きではない。

 主人公は、今どきいそうもないくらい、明るくて素直で純情で可愛い女の子。

 おじいちゃんおばあちゃんが憧れる、「ケータイよりおじいちゃんが好き」とか言いそうな、「いい子」。

 何をやらかしても、結果オーライで都合良く話が展開し、周りの大人たちは、意味もなく主人公に癒される。「○○(主人公)は不思議な子だ。あの子がいると、みんなが元気になる」というセリフもはずせない。

 物語の中盤で、当初示された大願が成就し、後半はネタ切れにあえぐ。

 そして、最後の1カ月で、登場人物たちが次々とくっついて、一丁あがりで大団円。

 いや、「ハルカ」ももちろんそう言うところはあった。ラストのカップル大量生産ぶりは、ちょっと白けてしまった感もある。まあ、今回の場合は、セルフパロディっぽく「わざとやってる感」がぷんぷんしていたので、許せるけど。

 美人でも可憐でもない、天然系の主人公が、たいして根性を見せることもなく、そこにある「今」をできる範囲で生きてきたら、いつのまにかそれなりに成長していた、という流れが心地良かった。毎朝、関西に住む年下の友人のメールを読んでいるような気分。彼女の便りをもうあまり聞けないのは、ちょっと残念だ。こういう感覚こそが、朝ドラの魅力なのだと思う。

 月曜から始まる「純情きらり」。昭和初期の岡崎と東京が舞台で、音楽で身を立てようとする桜子と一家の物語だそうだ。おじさんキラーの宮崎あおいが、三つ編みおさげで東京音楽学校目指して奮闘と、なにやら「お約束」なにおいがしないでもない。脚本が、「ちょっと待って、神様」「アイ'ム ホーム」という、僕のお気に入りのドラマを書いた浅野妙子さんなので、期待はしている。でもな、昭和初期に東京音楽学校に在学って、僕の祖母と同じ経歴なんだよなあ。あおいさんを見て、ばーちゃんを思い出さないように気をつけよう。

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NintendoDS入荷

って、こういうタイトルつけると、「また買ったか!」と思う人が多いだろうが、買ってません。

 充電器を買いに某量販店にいったら、初代NintendoDSが入荷していて、心が動いたという話。まあ、絶対にこれやりたい!というソフトがないので、思いとどまった。年度内発売の「逆転裁判4」と、地上デジタル放送のワンセグには興味があるので、いずれ買うつもりではある。

 ふと思い立って、もう一軒寄ってみたら、こちらにも初代DSが入荷していた。ちょとマイナーな店なので、行列ができることもなく、レジの後ろに山積みになっていた。

 NintendoDSliteが発売された結果、どうやら初代DSの市場在庫は潤沢になりつつあるようだ。

 ワンセグ云々と書いたら、なんだか欲しくくなってきた。事務所のOAチェアも買わなくてはならないので、ここはじっと我慢の子、である。

 ……うーん、Liteの品薄が改善されたら、即買っちゃいそうだなあ。

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