日本語への"こだわり"
僕は、日本語にはうるさい方であるらしい。
「ら抜き言葉」は、まず使わない。「読まさせていただく」のような「さ入れ言葉」も、受け付けない。
「早急」は「さっきゅう」であって、「そうきゅう」などと読んでいる人を見ると説教したくなるし、「全然大丈夫」なんて、全然日本語になっていないとさえ思う。
ライターだから、と言ってしまえばそれまでだが、僕は、それがちょっと度を超しているところがある。高校時代、放送部のアナウンサーだったせいかもしれない。
たとえば、「とても」。
「とても大きい」、「とても安い」。これに、違和感を感じる。話し言葉ならまだしも、書き言葉では僕はまず使わない。
「とても」とあったら、本来は後ろには否定が来なくてはならないのだ。
「とてもできません」、「とても間に合わない」。どうしてもできない、無理だ、というニュアンスで使うのが本来の意味だ。それが、いつの間にか「very」の意味で使われるようになってしまった。
だが、たしかに、話し言葉だと適当なのがない。
「すごく大きい」だと幼い感じだし、「非常に大きい」だと堅苦しい。しょうがないから、「とても大きい」もありかな、と思う。ただ、僕は主に「すごく」を使っているはずだ。
「本日より発売開始」。
これもおかしい。
「発売」というのは、売ることを始めることだ。「発売開始」と言うと、「始める」という言葉が重なっている。それを避けるには「本日より販売開始」という言い方があるが、これだとある店舗の業務を指しているようなニュアンスだ。結局、「本日発売」がいちばん正しいということになる。
そんなめんどくさいことを言っておきながら、「上を見上げる」という言葉には違和感を感じないのだから、ご都合主義もいいところ。結局は、どういう日本語に慣れ親しんできたかによるのだろう。こんな自分の頭をうとましく思いつつ、心のどこかで誇っていたりするのだから、やっかいである。鬼気迫る、をちょっと前まで「おにけせまる」と読んでいたくせに。
湖畔にたたずむペンション
弱冠15歳で世界の頂点に
男はすべからく女好きである
さて、どこがおかしいかわかりますか?
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Comments
れのまくん、ひさしぶり。あけましておめでとうございます。
「弱冠」は、二十代ではなく二十歳の男性を指すので、「弱冠22歳」というのもおかしかったりします。
あとは、
・「たたずむ」は明確に比喩表現として使う時以外は、人しか主語になれない
・「すべからく」ときたら、語尾は「~べし」でなくてはならないので、「男はすべからく女好きであるべし」でないとおかしい
ということと認識しておりますm(_ _)m
Posted by: かんりにん | 2006.01.09 17:43
「弱冠」は、20代男性を指す言葉ですから、「15歳」との組み合わせはおかしいですね。
まぁ、最近はテレビのテロップなんかでも、「若干 15 歳で、テニスの女王に!」なんてのが出てたりしますが。
あとは、僕もわからないや。正解教えてください。
Posted by: renoma | 2006.01.09 17:36