江ノ島ネコの途中ですが、予定を変更して、「新ドラえもん、いよいよ放送スタート!」の感想をお送りします。
ドラえもん歴27年の僕である。
小学1年生の時、てんとう虫コミックス13巻を買ってもらって以来、ドラえもんは僕と共にあった。漢字の読みはほとんどドラえもんを読んで覚えたし、テレビアニメの第1話「ゆめの町、のび太ランド」が放送されたときの感動は、今もはっきり覚えている。
そんな「ドラえもん」が、今日4月15日から、声優、制作陣をすべて一新して再スタートを切った。あの、慣れ親しんだ大山のぶ代をはじめとする声優が全員交代ということで、かなり不安を抱きながら見てみたのだが。
ジャイアン(声優は中学生)うまいじゃん!というのが第一印象。絵柄は原作に近くなり、のび太やスネ夫も違和感ない。ドラえもんは、だいぶ幼くなった印象だが、ドラえもんの描き方が「保護者」から「友だち」に変わったということで、これもOK。微妙な間が空くときがあったが、これはだんだん慣れていくだろう。
心配したほどヘンではないことがわかると、この新ドラえもんの気合いが見えてきた。
まず、その構成。第1話「勉強部屋の釣り堀」は、かつて大山ドラえもんの放送開始前、試験的に制作されたパイロットフィルムのエピソード。マニア心をくすぐり、制作者の「原点に戻る」という意図が見える。第2話の「タイムマシンがなくなった!」は、タイムマシンを追って神話時代の日本へ行く話で、ドラえもんのSF的世界を存分に描いていた。そして第3話「思い出せ! あの日の感動」は、読んで字のごとし。視聴者に、もう一度、初めてドラえもんを見たときの感動を思い出してほしいというメッセージだ。コンセプトを提示するだけでなく、子供、大人、ドラオタと、幅広い視聴者を楽しませる構成に感心した。
来週以降も、「のろのろじたばた」「のび太のおよめさん」「どくさいスイッチ」など、初期の名作が目白押しだ。作品としての「ドラえもん」をしっかり描くぞ、という、制作者の気合いが伝わってくる。
原作に忠実になった絵柄も好感が持てる。表情や体型だけではない。のび太が着ている赤い服は、これも初期のカラー作品によく見られた服だ。のび太の家も、原作により近くなった。キャラクターが原作に近づいたほかにも、家をはじめとする民家が手書き風で、道具や4次元空間のシーンにはCGらしい絵柄というのも、意図がはっきりしていてよい。CG自体は、好みではないけれど。
そしてなんと言っても、ジャイアンやパパの白黒目が再現されていたのがいい。藤子F不二雄が描いた、微妙な表情のおかしさをテレビで見られるとは。目がパンダ状の「藤子イヌ」の登場に至っては、涙で画面がよく見えなかった。
まあ、褒めちぎった新ドラえもんだが、気になる点もある。のび太が知的すぎて、ダメな子に見えないということがひとつ。効果音がこなれておらず、話が終わったことがわかりづらいのも困る。ドラえもんとのび太の声が似ていて、聞き取りづらかったのも気になった。もっとも、こうした点は、新しいスタッフや声優が慣れるに従って改善していくだろう。
ま、何はともあれ、無難路線に落ち着いていたドラえもんが、ぐっと若返って元気をとりもどしたことは間違いない。しばらくは、毎週金曜日が楽しみだ。なんと言っても、萌え系に生まれ変わったしずちゃんに毎週会えるのだから。
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