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2005.02.23

10周年

プロバイダの@Niftyからメールが来た。

2月22日は栗原 景様がアット・ニフティにご入会されてから、 ちょうど10周年目にあたります。

 日頃のご愛顧に感謝し、スタッフ一同、心よりお礼を申し上げます。

イ・ウンジュが幽界の人となったその日、僕はネットの世界に足を踏み入れてちょうど10周年を迎えた。

10年前、1995年。
1月17日に、阪神淡路大震災が発生した。

未曾有の被害をもたらした大災害だったが、この地震は、はじめて「ネット」が注目された事件でもあった。

当時の「ネット」は、「インターネット」ではなく「パソコン通信」である。やりとりできるのは基本的に文字だけで、月に4時間使うだけで5000円くらい料金がかかった。通信速度は、今の1/1000。

だが、テレビ報道が何を伝えたら良いのかわからず右往左往する中、パソコン通信のユーザーたちは、自分たちが見聞きした情報をどんどん発信し、貴重な情報網となった。

試しに、やってみたくなった。

しかし、当時の僕は日本語を使えるまともなパソコンを持っていない。
そこで、ワープロ専用機のミニ書院用のモデムユニットを購入した。価格は1万円ほど、通信速度は1200bps。

マニュアルと首っ引きで設定。無手順? 全二重.? プロトコル? ???

頭がウニになりながらも、なんとか電話にコードをつないで、Niftyserve入会キットに書いてあった番号にアクセスした。

ピー、ゴロゴロゴロ....

ファックスのような音が聞こえてきた。しばらく間があいて…

「ようこそNiftyserveへ オンラインサインアップ」

ワープロの画面に、文字が現れた。
感動した。

「阪神大震災情報」

ゆっくりと、現地の情報が流れていく。

「灘区どこどこ町の状況は……」
「住所を教えてください。自転車で見に行ける場所だと思います」
「誰それさんと連絡がつきません、ご存じの方がいらっしゃいましたら……」
「誰それさんは無事です。どこそこ体育館に避難していらっしゃいます」

一晩中、BBSにかじりついていた。

僕が、生まれて初めて大韓民国へ行ったのも、この1995年2月のことだ。
はじめてWindowsパソコンを購入するのは、それから8ヶ月後の1995年10月。

そして、この春、@Niftyはパソコン通信事業を事実上終了する。

もう、10年たったのだ。

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